湘南ジンベエ皮膚科

脂漏性角化症(加齢性のいぼ)





脂漏性角化症について

脂漏性角化症は、皮膚にできる良性の腫瘍で、50歳以上の方にはとてもよく見られるごく一般的な皮膚疾患です。見た目は黒っぽいイボやシミのように見え、触ると少しザラザラしているのが特徴です。基本的には健康に害はありませんが、見た目が気になったり、摩擦で炎症が起きたりすることがあります。

原因と特徴

脂漏性角化症は、皮膚の一番外側である「表皮」の部分が異常に増えることで起こります。次のような要因が発症に関係すると考えられています。

・先天的な要因:遺伝的な体質は要因の1つとされています。そのため家族に同じような症状がある場合は、発症しやすくなる傾向があります。ただし遺伝だけが原因というわけではありません。

・後天的な要因:長年の紫外線ダメージや加齢も関連しています。生活において、屋外での活動時間が長い方ほどリスクが高まります。

見た目は、淡褐色〜黒色の盛り上がったできもので、数ミリから数センチまで大きさはさまざまです。痛みはないことがほとんどですが、まれにかゆみを感じることがあります。

主な治療法

脂漏性角化症は良性疾患のため、基本的には治療しなくても問題ありません。ただし、見た目が気になる方や、衣服などにこすれて邪魔に感じている方、その他の理由でも治療を希望される方などには治療を行っています。主な治療方法を以下の表にまとめます。

実際の治療選択に関しては、病変の部位や大きさや数によってもオススメする治療方法が変わります。診察の際に、症状に合わせた治療を医師からご提案をさせていただきます。

まとめ

脂漏性角化症は年齢や紫外線の影響で誰にでも起こり得る、ごく一般的な良性の皮膚腫瘍です。治療は必須ではありませんが、気になる場合は適切な方法で対応できます。見た目の変化に気づいたら、自己判断せずに皮膚科医にご相談ください。

参考文献

・Barthelmann S, Butsch F, Lang BM, Stege H, Großmann B, Schepler H, Grabbe S. “Seborrheic keratosis.” Journal der Deutschen Dermatologischen Gesellschaft 21, no. 3 (2023): 265–277.


─執筆医師─

達也執筆profire

塩味達也
湘南ジンベエ皮膚科 院長|日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
2013年埼玉医科大学卒業後、大学病院・がんセンター・総合病院・地域クリニックで皮膚科診療に従事。現在、湘南ジンベエ皮膚科院長。医療記事Webライターとしての執筆歴も豊富。


よくあるご質問

放っておいてもいいの?癌になってしまうことはない?
脂漏性角化症自体は良性の疾患であり、癌に進行しやすいわけでもありません。見た目が気になる場合や、生活に支障をきたす場合、悪性腫瘍との見極めをして欲しい場合などは、皮膚科専門医の受診をおすすめします。
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