
軟性線維腫(アクロコルドン)
軟性線維腫とは
軟性線維腫(別名:スキンタッグ、もしくはアクロコルドン)は、首や脇の下、胸の下など皮膚がこすれやすい部分にできる、やわらかい良性のできものです。多くは無症状ですが、擦れて炎症を起こしたり、出血したりすることもあります。
軟性線維腫の原因
はっきりとした原因はまだよくわかっていませんが、以下のような複数の要因が関与していると考えられています。
・加齢:最もよく知られた要因です。年齢とともに皮膚の新陳代謝が変化し、皮膚の一部が盛り上がるような形で発生すると考えられています。特に40代以降で増加します。
・摩擦や刺激:軟性線維腫は、皮膚と皮膚、あるいは皮膚と衣類がこすれる場所によくできます。そのため、首やわきの下などにできるのが典型的です。
・遺伝的な体質:家族にも同じようなできものがある方は、できやすい体質を受け継いでいる可能性があります。
・肥満やインスリン抵抗性:肥満傾向のある方では、軟性線維腫の発生頻度が高いとされ、糖尿病やインスリン抵抗性との関連が指摘されています。
・ホルモンバランスの変化:妊娠中や更年期など、ホルモンの変化が大きい時期に増えることがあるとされています。
治療について
軟性線維腫は、健康に害のある病気ではありませんが、見た目やこすれが気になる場合などでは治療対象になり、医療用のハサミで切除、液体窒素による凍結療法、レーザーによる切除などで治療することができます。保険適用の有無は治療目的や治療内容によっても変わります。当院では診察の際に詳細をご案内させていただきます。
まとめ
軟性線維腫は誰にでもできる可能性がある、よくある皮膚のできものです。気になる場合は皮膚科で相談し、適切な方法で治療やケアを行いましょう。
参考文献
・あたらしい皮膚科学 第3版 清水宏著 中山書店
・Panicker VV. et al. (2017). J Epidemiol Glob Health, 7(1):63-70. (妊婦600例の皮膚所見に関する観察研究)
・El Safoury O. et al. (2010). Indian J Dermatol, 55(1):20-24. (軟性線維腫の性ホルモン受容体に関する研究)
よくあるご質問
- 軟性線維腫は自然に治りますか?
- ほとんどの場合、自然に消えることはありません。気になる場合は皮膚科でご相談ください。
- 軟性線維腫は他の人にうつりますか?
- ウイルスや細菌によるものではないため、人にうつることはありません。