湘南ジンベエ皮膚科

脂肪腫





脂肪腫について

脂肪腫

脂肪腫とは、皮膚の下に脂肪細胞が集まってできる良性の腫瘍です。ポコっと出っ張る程度の症状で、健康に大きな影響を及ぼすことはありませんが、中には痛みやしびれや見た目の変化などが気になるケースもあります。

この記事では、脂肪腫の症状や原因、検査、治療法までをわかりやすく解説します。ご自身やご家族の不安を和らげるために、ぜひご一読ください。

脂肪腫の特徴

脂肪腫は、主に皮膚のすぐ下にできるプニプニとした柔らかいしこりです。皮膚表面には変化がありませんが、ある程度以上の大きさになるとポコっと膨らんでみえます。通常は数cm程度以内の大きさで、触ると動くことが多く、痛みはほとんどありません。

体のどこにでもできますが、特に背中や上腕にできやすいとされています。成人に多く、30〜60歳の中年層での発症が最も多いです。小児や高齢者にも発症しますが、比較的少ないといわれています。

脂肪腫の原因

脂肪腫の原因としては、いくつかの要素が関係していると考えられています。

・生活習慣/生活習慣病:肥満・過度な飲酒・運動不足・物理的な刺激・脂質異常症・糖尿病などが関与する可能性が示唆されています。

・遺伝:多発性脂肪腫(複数の場所に脂肪腫がある)の場合は遺伝子が関与していることがわかっています。単発性の脂肪腫に関しては、遺伝的要因との関与は明確になっていません。

脂肪腫の検査・診断

脂肪腫を疑い、詳しい検査が必要と医師が判断した際には、超音波検査やMRIなどの画像診断を行います。確定診断するには組織検査が必要です。典型的な脂肪腫の場合は臨床所見で診断し、経過観察することもあります。

脂肪腫の治療

脂肪腫の治療としては、手術による切除が一般的です。ただし脂肪腫のサイズや部位によって適切な手術方法は変わります。切除を希望される方は担当の医師までご相談ください。

多くの脂肪腫は、症状がなければ経過観察で大丈夫です。ただし、以下のようなケースでは注意が必要です。

・急に大きくなってきた

・痛みやしびれを伴う

・赤く腫れている

・顔や首など、目立つ部位にできた

このようなトラブルを伴っている場合は脂肪腫が神経や血管を圧迫している可能性や、脂肪腫以外の疾患である可能性も考えられます。気になった時点で、医療機関での診察が勧められます。このような症状がなくとも、ご心配であれば定期的に皮膚科でチェックを受けるのが良いと思います。

まとめ

脂肪腫は多くの場合は心配のいらない良性のしこりですが、気になることがあれば医師にご相談ください。

参考文献

・Ciliberti P, et al. Additional value of cardiac magnetic resonance parametric mapping in tissue characterization of common benign paediatric cardiac tumours. Eur Heart J Cardiovasc Imaging. 2024;26(1):161-168.

・StatPearls Publishing. Fatty Tumor (Lipoma) Pathophysiology. 2022.

・Lipoma: A review of the pathophysiology and treatment options. Journal of Dermatology, 2021.

・Epidemiology of Lipomas: A Population-Based Study. Journal of Dermatology, 2019.


─執筆医師─

達也執筆profire

塩味達也
湘南ジンベエ皮膚科 院長|日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
2013年埼玉医科大学卒業後、大学病院・がんセンター・総合病院・地域クリニックで皮膚科診療に従事。現在、湘南ジンベエ皮膚科院長。医療記事Webライターとしての執筆歴も豊富。


よくあるご質問

脂肪腫はがんになりますか?
基本的に良性で、がん化することはありません。ただし「脂肪肉腫」という別の悪性腫瘍が存在し、脂肪腫と似ていて気づかれにくいことがあります。
自然に治ることはありますか?
残念ながら自然に消えることはほとんどありません。
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